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牽引力と車両質量、加速度の関係

概要

  • 力(牽引力)と質量(車両質量)、加速度の間には、
    m * a = F (mは質量;単位[kg]、aは加速度;単位[m/s2]、Fは力;単位[N])
    の関係がある(ニュートンの運動方程式)。
    • 牽引力と車両質量から加速度を求めるには上の式を変形して、
      a = F / m
      の関係にするとよい。
    • 計算の際は、単位をきちんと揃えることに注意する。そうでないと正しい数値が計算できない。
    • force.csvに記入する力の単位は[N]、parameters.txtに記入する車両質量の単位は[kg]となっている。
  • なお、ここで使用する加速度の単位は[m/s2]であるが、馴染み深い単位の[km/h/s]に相互変換するには以下の関係を使用する。
    1[m/s2] = 3.6[km/h/s]
    • KEIKYU WEB→京急博物館→京急電鉄車両紹介のページ」内の各車両紹介ページでは[m/s2]単位で加減速度が書かれているので、[m/s2]単位がピンと来ない方は一度見ておくとよい。例えば新1000形ステンレス車の加減速度は加速度0.97[m/s2]、常用最大減速度1.11[m/s2]とあるが、3.6をかけて単位変換するとそれぞれ大体3.5[km/h/s]、4[km/h/s]となる。
    • この単位変換を求める手順は、以下の通りになる。
      1[m/s2] = (1 / 1000)[km/s2] = {(60 * 60) / 1000}[km/h/s] = (3600 / 1000)[km/h/s] = 3.6[km/h/s]

計算例

  • 慣性係数を考慮し、走行抵抗と乗車率を加味しない場合における京成3500形の1ノッチ起動直後の加速度は、force.csvとparameters.txtを参考にして
    21824[N] * 4.5 / {34000[kg] * (1 + 0.1) * 4.5 + 34000[kg] * (1 + 0.05) * 1.5}(4.5は実質M車両数、1.5は実質T車両数、0.1はM車慣性係数、0.05はT車慣性係数)
    = 98208[N] / {(37400[kg] * 4.5) + (35700[kg] * 1.5)}(編成全体の牽引力/慣性係数込みの、M車質量+T車質量)
    = 98208[N] / (168300 + 53550)[kg](編成全体の牽引力/慣性係数込みの、M車質量+T車質量)
    = 98208[N] / 221850[kg](編成全体の牽引力/慣性係数込みの編成質量)
    = 0.443[m/s2]([m/s2]単位での加速度)
    = 1.59[km/h/s](3.6をかけて[m/s2]→[km/h/s]に変換)
    と求められる。
    • なお、走行抵抗(速度に応じて増加)や起動直後にかかる出発抵抗(平軸受車で8〜10kgf/t、ころ軸受車で3〜5kgf/t程度)が差し引かれるため、実際にBVEの車両物理量ウィンドウに表示される加速度の値は、引張力を適切に設定した場合でも、その値より小さくなる。

慣性係数

  • 慣性係数とは、牽引力から加速度を計算するときに必要となる、車両の前後運動に関係しない運動(車輪の回転など)に取られるエネルギーを補正するための数値。
    • 例えば京成3500形の場合、M車一両あたりの実際の質量は34000[kg]であるが、加速度を計算するときには慣性係数を加味した、34000[kg] * (1 + 0.1) = 34000[kg] * 1.1 = 37400[kg]の値を使用する。
    • 同様にT車一両あたりの慣性係数を加味した質量は34000[kg] * (1 + 0.05) = 34000[kg] * 1.05 = 35700[kg]となる。
  • 慣性係数の一覧
    電気機関車:0.15
    電動車:0.1
    新幹線電車:0.11(計画値)
    付随車:0.05
    客貨車:0.05
    • 電気機関車や電動車の慣性係数が付随車より大きいのは、モーターやギヤを回す分余分にエネルギーが要るため。

単位の変換

力の単位

  • ノッチ曲線の牽引力でよく見られる[kg]という単位はいわゆる重量キログラムで、[kgf]とも表される。表記は同一でも質量の[kg]とは別物の単位であることに注意。1[kgf]は1[kg]の質量をもつ物体が標準重力加速度(9.80665[m/s2])のもとで受ける重力の大きさとされる。(学校では[kgw](キログラム重)と習う。)
    • これをニュートン単位に変換するには、ニュートンの運動方程式(m * a = F)より、1[kgf] = 1[kg(質量)] * 9.8[m/s2] = 9.8[N]とすればよい。
  • [ton/f]も表記は微妙に異なるものの[kgf]と同族の単位であり、1[ton/f] = 1000[kgf] = 9807[N]と変換できる。

圧力の単位

  • かつて空気圧の単位に採用されていた[kg/cm2]と、現在採用されている[kPa]の関係は
    1[kg/cm2] ≒ 98[kPa]
    となっている。
    • ここの[kg]は質量の単位でなく、[kgf]とも表される力の単位。
    • 詳細な単位変換過程は以下の通り。
      1[kg/cm2] ≒ 9.8[N/cm2] = 9.8 * 100 * 100 [N/m2] = 98000[N/m2] = 98000[Pa] = 98[kPa]
    • 1[Pa]は、1[N]の力が1[m2]の面積に掛かったときの圧力と定義され、1[Pa] = 1[N/m2]とも表される。
    • ブレーキ管圧力が490kPa等と圧力の数値にキリの良い値があまり無いのは、[kgf/cm2]単位が基準だったときの名残といえる。

計器の針の振動

NaturalFreqパラメーター(指針の固有角振動数)

  • 運転台パネルファイル中の、NaturalFreqの項目には指針の固有角振動数を入力する。この値が大きいほど針の振動の一往復にかかる時間が短くなる。この値を0にすれば一切針がブレず値を正確に指示するようになるので、液晶画面等の表示器で指針を使う場合やごくゆっくり指針が動く場合はこの値を指定するとよいだろう。
    • (固有)角振動数とは、周波数に2π = 2 * 3.14 = 6.28を掛けて得られる値である。また、針の周期(一往復に要する時間)の逆数が周波数となる。例えば、針が一往復するのに要する(固有)角振動数と時間の関係はそれぞれ3.14で2秒、6.28で1秒、12.56で0.5秒となる。
    • 針の振動の周期T、周波数f、(固有)角振動数ωの関係は次のようになる。ただし、時間の単位は秒、円周率をπとする。【ω = 2 * π * f, f = 1 / T
  • mackoy氏の車両アドオンで使われている各種指針に対するNaturalFreqとDampingRatioの数値一覧
    • BVE5用京成3500形
      指針の種類NaturalFreqDampingRatio
      速度計50.8
      電流計50.63
      圧力計(元ダメ以外)800.1
      圧力計(元空気ダメ)0-
    • BVE4用113系(コンバータ出力も同じ値が指定される)
      指針の種類NaturalFreqDampingRatio
      速度計6.30.5
      圧力計0-
      時計秒針630.5
      時計分針・時針0-

DampingRatioパラメーター(指針の減衰率)

  • 運転台パネルファイル中のDampingRatio項目には指針の減衰率を入力する。この値が大きいほど、早く針の振動が収まる。この値を0にすると、針の振動が全く減衰せず振れっぱなしになる。

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Last-modified: 2015-01-10 (土) 14:04:46 (2115d)